「突然、銀歯が外れてしまった…!」という経験は意外と多くの方に起こります。噛んだ瞬間にポロッと取れたり、気づかないうちに外れて飲み込んでしまうこともあります。
しかし、慌てる必要はありません。銀歯が外れた原因を知り、正しい対処をすれば、歯の健康を守りながら元の状態に戻すことができます。一方で、外れたままの状態を放置してしまうと、虫歯の悪化や歯の破折につながることもあるため、注意が必要です。
この記事では、銀歯が外れたときの対応や、注意点についてわかりやすく解説します。
銀歯が外れたらどうする?すぐできる対応ポイント
銀歯が外れると驚いてしまいますが、まずは落ち着いて状況を確認しましょう。
外れた原因が虫歯なのか、接着剤が弱くなっただけなのか、あるいは噛む力が強くかかったのかは、見た目だけでは判断できません。まずは「外れた銀歯を保管する」「歯を触りすぎない」「早めにかかりつけの歯科医院へ受診する」の3つを意識しましょう。
まずは歯科医院へ相談が基本
銀歯が取れてしまった場合は、できるだけ早めに歯科医院を受診することが重要です。特に、銀歯を装着した歯科医院であれば、過去の治療内容やレントゲンなどの記録が残っているため、状況を正確に把握しやすく、スムーズに対応してもらえます。外れた直後の歯はデリケートな状態で、刺激が加わるとしみたり痛みが出やすくなります。
また、外れた部分に食べかすやプラーク(細菌)がたまりやすく、短期間でも虫歯が急速に進行することがあります。
外れた銀歯は必ず持参する
外れた銀歯が再利用できる可能性もあります。使用可能かどうかは、歯科医師が判断するため、外れた銀歯が手元にある場合は必ず一緒に持参しましょう。外れた銀歯をティッシュに包み、小さな袋やケースに入れて保管しましょう。
飲み込んでしまった場合
銀歯や詰め物をうっかり飲み込んでしまっても、多くの場合は体に大きな影響はなく、便と一緒に自然に外へ出ていきます。ほとんどは様子を見て問題ありませんが、喉や胸の違和感、腹痛、吐き気などがある場合は、すぐに内科へ相談しましょう。
銀歯はどのくらい持つ?耐久性について知っておこう
銀歯は保険診療で広く使われている素材で、しっかり作られていれば数年間は問題なく機能します。しかし、永久的に同じ状態を保てるわけではありません。一般的な目安として、銀歯の寿命は 5〜10年程度 と言われています。噛む力や歯ぎしりの癖、口腔内の衛生状態などによっては、それより短くなったりすることもあります。銀歯は、時間が経つと劣化し、隙間が生じやすくなります。その隙間から細菌が入り込むと、銀歯の下で虫歯が再発したり、外れやすくなったりします。そのため、見た目では問題がわからなくても、内部で虫歯が進行しているケースは珍しくありません。定期的な歯科健診やメンテナンスにてチェックを行うことで長持ちしやすくなり、トラブルを早期に防ぐことができます。
銀歯が外れる主な原因
- 銀歯を固定している接着剤(セメント)が、年数の経過とともに劣化・弱化する
- 毎日の咀嚼による負担が蓄積し、経年劣化が起こる
- 食いしばりや歯ぎしりの癖により、銀歯に強い力がかかる
- 銀歯の下で虫歯が再発し、歯の土台が弱くなる
- 生活習慣や噛み合わせの影響で、銀歯に負担が集中する
※銀歯が外れた場合でも、必ずしも治療の失敗とは限らず、適切な処置で再装着や再治療が可能なケースが多くあります。
銀歯が外れたままの状態を放置すると危険な理由
銀歯が外れたままの状態を「痛くないから」「忙しいから」と放置してしまう方もいます。
しかし、歯が外れた状態のままにしておくと、汚れが入り込みやすく、虫歯や痛みなどのトラブルが起こりやすくなります。症状がなくても放置せず、できるだけ早めに歯科医院を受診して対処することが大切です。
汚れ・プラークがたまりやすい
銀歯が外れた部分には段差ができ、食べかすがたまりやすくなります。ブラッシングでは取りきれない汚れが残り、細菌が増殖しやすい環境になります。この状態を放っておくと、虫歯の発生や、歯茎の炎症、口臭の原因になることもあります。
虫歯が再発・悪化しやすい
外れた部分に細菌が入り込むと、元の治療部分に新しい虫歯が発生しやすくなります。銀歯が外れた部分に進む虫歯は進行が早く、痛みを感じた頃には神経に達していることも珍しくありません。再発した虫歯が広がると、銀歯の再装着ができなくなり、作り直しが必要になる場合があります。また、放置期間が長いほど、神経にまで虫歯が達してしまうリスクも高まります。
歯が欠けたり割れたりすることもある
銀歯が外れた歯は、金属による補強がなくなるため、通常よりも強度が低い状態になります。さらに噛み合わせのバランスが崩れることで、食事のたびに特定の歯へ負担が集中し、歯が欠けたり、ヒビが入ったりすることがあります。状態が悪化すると、歯が大きく割れてしまい、最終的に抜歯が必要になるケースもあるため注意が必要です。
歯科医院での治療はどう進む?
①清掃して外れた銀歯を再装着
外れた銀歯に問題がなく、歯の土台に大きな変化がない場合は、そのまま再装着できることがあります。まず、歯科医師が歯の表面や銀歯の内側についた汚れ・古い接着剤を丁寧に清掃し、再度しっかりと接着材で固定します。早期に受診すると再利用できるケースが多く、費用も最小限に抑えられます。
②虫歯がある場合は治療して再作製
外れた部分の歯が虫歯になっていた場合は、虫歯をきれいに取り除き、もう一度サイズに合った銀歯(または別の素材)を作り直します。虫歯で歯の削る量が変わると、元の銀歯が合わなくなるため再製作が必要です。詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)の形は精密に作られるため、虫歯治療後に新しい型取りをしてから数日後に装着する流れになります。
③神経の治療が必要になることも
虫歯が深く進行して神経まで達していた場合は、根管治療(神経の治療)が必要になることがあります。神経が炎症を起こしていると痛みが出たり、銀歯の下で再びトラブルを引き起こすためです。根の治療を行い歯の内部をきれいにしたあと、土台(コア)を立て、最後に新しい被せ物を装着するという流れになります。治療期間は少し長くなりますが、歯を長持ちさせるためにとても大切な工程です。
銀歯が外れた際にやってはいけない注意点
自分で付け直そうとしない
外れた銀歯を無理に押し込んだり、市販の接着剤を使って自分でくっつけようとするのは絶対に避けましょう。接着剤が歯や銀歯の内側に入り込むと、歯科医院で除去するのが難しくなるうえ、歯を余計に削る必要が出る場合もあります。また、誤った位置で装着すると噛み合わせが狂い、顎の痛みや歯の破損につながる可能性があります。外れたらそのまま持参して受診するのが最も安全です。
外れた銀歯を捨てない・紛失しない
外れた銀歯は、再利用できるケースが多くあります。見た目には問題なさそうでも、中の形が精密に作られているため、捨ててしまうと作り直しになり費用や時間が余計にかかってしまいます。ティッシュに包むだけだと破棄してしまったり、ポケットで落としてしまうことがよくあります。清潔な小袋やケースに入れて保管し、受診時に必ず持参しましょう。
まとめ
銀歯が外れてしまうと驚いてしまいますが、多くの場合はあわてず適切に対処すれば元の状態に戻せます。外れた銀歯は再利用できることも多いため、捨てずに保管し、できるだけ早く歯科医院へ連絡しましょう。外れた部分を放置すると、汚れが溜まりやすくなり、虫歯の再発や歯の破折など、より大きなトラブルにつながる可能性があります。
自己判断で付け直すことは避け、銀歯が外れたときは、早めに相談することで歯を守り、通院回数や費用の負担を抑えることにもつながります。もし外れてしまった際は、落ち着いて対応しましょう。

