はじめに
「なんだか口が乾く…」「朝起きたときに口の中がネバネバしている」そんな症状、感じたことはありませんか?それは、「ドライマウス(口腔乾燥症)」が原因かもしれません。
ドライマウス(口腔乾燥症)は、単なる口の乾きではなく、口臭・虫歯・歯周病など、さまざまなトラブルの引き金となる状態です。しかも、初期段階では自分で気づきにくく、対処が遅れてしまうケースも少なくありません。
この記事では、ドライマウスの主な原因と、今日から実践できる7つの予防・対策法をわかりやすく紹介します。「口が乾きやすい」と感じる方は、ぜひ日常のケアに取り入れてみてください。
ドライマウスってなに?なぜ起こるの?
ドライマウスとは、唾液の分泌が少なくなり、口の中が乾燥する状態を指します。
唾液には、口内の細菌を洗い流したり、歯を守ったりする大切な働きがあります。そのため、唾液が不足すると、さまざまな口腔トラブルの原因になります。以下の要因が重なることで、口の中が乾きやすくなり、ドライマウスを引き起こすのです。
ドライマウスの主な原因
- 加齢による唾液分泌の減少
- 薬の副作用(抗うつ薬・降圧剤など)
- ストレスや緊張状態
- 睡眠中の口呼吸
- 糖尿病・シェーグレン症候群などの疾患
- 喫煙・飲酒・カフェイン過多
- 水分不足や脱水
今日からできる!ドライマウス対策7選
①こまめな水分補給を習慣にする
最も手軽で取り入れやすい対策は「こまめに水を飲むこと」です。ただし、カフェインを多く含むコーヒーやお茶、アルコール類は利尿作用が強く、水分補給には適していません。さらに、ジュースなどの甘い飲み物は口の中を酸性に傾け、虫歯や口臭の原因につながることがあります。水分補給の際は、常温の水やノンカフェインのお茶を選ぶようにしましょう。
②ガムやタブレットで唾液を促す
ガムやタブレットを噛むことで咀嚼筋が動き、唾液の分泌が自然に促されます。唾液には口の中を潤すだけでなく、虫歯や口臭を防ぐ大切な役割があります。特にキシリトール入りのガムは虫歯予防効果も期待でき、外出先や人と会う前など、唾液が減りやすいタイミングで取り入れるのに便利です。
ただし、甘味料が一般的な砂糖(上白糖やグラニュー糖など)を多く含むガムは細菌のエサとなり、酸を作り出して虫歯の原因になることがあるため注意が必要です。さらに、キシリトールガムでも多量に取ると人によってはおなかが緩くなることがあるため、適度に取り入れることが大切です。
③よく噛んで食べることを意識する
やわらかい食品ばかりを食べていると、咀嚼の回数が減り、唾液の分泌も少なくなります。
唾液はお口の乾燥を防ぎ、虫歯や口臭予防にも役立つため、日常生活でしっかり噛む習慣を持つことが大切です。「ひと口30回」を目安に噛むことで唾液腺が刺激され、自然に潤いを保ちやすくなります。さらに、ごぼうやれんこん、玄米など噛みごたえのある食材を取り入れることで、咀嚼回数を増やしながらお口の健康を守ることができます。
④鼻呼吸を意識して口呼吸をやめる
無意識に口呼吸を習慣にしていませんか?口呼吸は、口内が常に空気に触れて乾燥する原因になります。対策としては、以下の方法が有効です。口臭予防にもつながるので、鼻呼吸の習慣は非常に大切です。
- 日中は「口を閉じる意識」を持つ
- 就寝時は口閉じテープを貼る
- 鼻詰まりがある場合は耳鼻科で治療する
⑤加湿器で室内の乾燥を防ぐ
冬場やエアコンの使用時は室内が乾燥しやすく、それに伴って口の中も乾燥しやすくなります。お口の乾きは不快感だけでなく、虫歯や口臭のリスクを高める原因にもなります。そのため、寝室や仕事部屋など長時間過ごす場所には加湿器を置き、湿度を40〜60%に保つのが理想的です。もし加湿器がない場合でも、濡れタオルを下げたり水を入れたコップを置くなど、簡単な工夫で乾燥を防ぐことができます。
⑥唾液腺マッサージを取り入れる
唾液の分泌を促す方法のひとつに「唾液腺マッサージ」があります。耳の下や顎の下にある唾液腺をやさしく刺激することで、唾液の流れをサポートできます。口の乾きは虫歯や口臭のリスクを高めるため、日常的にケアすることが大切です。1日2〜3回を目安に、無理のない範囲で続けてみましょう。短時間でも毎日の習慣に取り入れることで、口の中の潤いを保ちやすくなります。
【代表的な唾液腺マッサージ3つ】
- 【耳下腺】耳の下を優しく円を描くようにマッサージ
- 【顎下腺】あごの骨の内側を軽く押す
- 【舌下腺】あごの先の裏側を両手の親指で軽く押す
⑦歯科医院での相談も検討する
口の乾きが強い、痛みがあるなどの症状が続く場合は、歯科や口腔外科での診察をおすすめします。生活習慣の見直しやセルフケアで改善しないときは、背景に病気が隠れている可能性もあります。特に、自己免疫疾患(シェーグレン症候群など)や糖尿病などが関係するケースもあるため、医師の診断を受けて原因を確認し、適切な治療につなげることが大切です。
まとめ:口の渇きは“ドライマウスのサインかも”早めに対処しましょう!
ドライマウスは誰にでも起こり得る身近な問題ですが、生活習慣を見直すことで改善できることも少なくありません。乾燥した口の中を放置すると、虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、全身疾患が関与している場合もあります。長く症状が続くときは、自己判断せず専門医に相談することも大切です。「最近口の渇きが気になる」と感じたら、早めにケアを始めてみましょう。